小屋裏空間で求められる住宅品質vol.4 「小屋裏の換気量を確実に確保するための施工とは 」
住宅事情 2019.03.18小屋裏の換気量を確実に確保
現場における施工品質管理では、「計画した通りの性能を発揮させる」ことが大切です。もちろん見た目良く仕上げることも大切です。小屋裏換気工事であれば、「小屋裏の換気量を確実に確保できる施工」ということになります。
設計図書に記された場所に、指定された商品を施工要領書通りに施工すれば良いことなのですが、人の手で作り上げる現場ではミスをゼロにすることは困難です。職人たちが正しい施工方法を把握していないことが原因である場合もありますが、自ら関わる工種の範疇はしっかり施工しても、他の工種との取り合いの部分で問題が発生するケースも非常に多くあります。
今回、他業種との取り合い部分で発生した不備事例と小屋裏換気工事の優良事例をご紹介させていただきます。どのような問題が発生するかを事前に知っておくことで現場でミスを減らすことはできます。
×現場施工の不備事例①
軒裏換気部材の孔をブローイング断熱材が塞いでいます。天井の断熱材をブローイングした際、軒裏まで断熱材が吹き飛んでしまったことに気付かなかった事例です。必要換気量が確保できない恐れがあります。
×現場施工の不備事例②
現場発泡ウレタンが通気を妨げています。屋根と壁の断熱に施工した、現場発泡ウレタンが膨らみ過ぎてしまった事例です。
◎優良事例
小屋裏の換気量を担保するために、換気孔を付加している事例です。桁上にスリットをあけ、小屋裏と壁の通気層をつなげ空気が出入りできるようにしています。雨の浸入対策を備えた専用の換気部材を施工しています。
棟換気は、野地板の開口寸法をチェック
施工品質の管理に力を入れて取組みをおこなっている住宅会社は、棟換気を採用する場合には、通気口となる野地板の開口の幅を特に注意しています。開口寸法の不足が換気不足に繋がる為、ミスが許されない部分だからです。必要開口寸法は使用商品ごとに異なりますのでご注意ください。
棟換気の場合
次回のvol.5では、屋根断熱の通気についての設計・施工品質に関わる事例をご紹介させていただきます。
記事提供:
住宅品質向上のリーディングカンパニー
株式会社NEXT STAGE
住宅会社の自社品質基準の構築や、建築現場での第三者監査など「住宅品質の安定と向上を具現化する」ためのコンサルティング事業を展開。
https://nextstage-group.com/