外壁通気構法で求められる住宅品質vol.7「改善したいサッシまわりの防水処理」
住宅事情 2020.02.17瑕疵保険の事故物件で、雨水浸入部位のワースト1は「サッシまわり」です。一度事故を経験したビルダーや優良ビルダーは、サッシ廻りの防水施工において、防水シートとテープを密着させ水みちを作らない丁寧な施工を実直に行い、防水シートの重ね位置や張る順番に基準を設けています。 現場で頻繁に見受けられるサッシ廻りの『不備事例』と『優良事例』を交えてご紹介します。
防水シートの切断
×不備事例
防水シートの切断位置がサッシから離れている不備事例。あまりにも離れ過ぎると防水テープとの張り合わせ面積が少なくなり漏水のリスクが高まります。
防水シートの剥がれ、浮き、シワ
サッシ廻りで雨水浸入のリスクを減らすためには、防水テープと防水シートのしっかりとした張り合わせが重要です。シワにならないようにシートを伸ばし、剥がれや浮きがないように押さえつけを行い密着させます。この基本的なことをおろそかにしている現場が多いのが実情です。
×不備事例
防水シートが防水テープから剥がれてしまっている不備事例です。 押さえ付けをしていないことや圧着が不十分だったことが原因です。
×不備事例
防水シートが防水テープから浮いている不備事例です。シートがたるまないように伸ばしてから、押さえつける必要があります。
×不備事例
たるんだ防水シートを無理やり両面テープに密着させたため、シワになった不備事例です。このようになってしまった場合には、防水シートを張り直すことをお薦めします。
防水シートの重ね順
×不備事例
サッシ上部の防水シートの重ね合わせ順において、サッシ上面の防水シートが側面の防水シートの下(裏側)になっているため、サッシ上枠に沿って水が流れた場合に防水シート裏に水が侵入する恐れがある不備事例です。このような場合サッシ上面の防水シートが上になるように、張り重ねる手順を変える必要があります。なお、優良ビルダーでは、左右の重ねをサッシ際に作らない配慮をしています。
その他の優良施工事例
○優良事例
サッシを固定するビス頭に、防水テープを張り、水の浸入リスクを下げている優良事例です。防水テープ以外ではシール処理しているビルダーもあります。
○優良事例
一見、防水テープの片面テープだけを使い納めている施工に見えますが、実は両面テープも併用してます。2重張りすることで防水に対する安全性を高めている優良事例です。
住宅品質向上のリーディングカンパニー
株式会社NEXT STAGE
住宅会社の自社品質基準の構築や、建築現場での第三者監査など「住宅品質の安定と向上を具現化する」ためのコンサルティング事業を展開。
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