小屋裏換気トレンド vol.1「小屋裏換気孔の設置方法」
住宅事情 2019.01.21この小屋裏換気トレンドでは、「フラット35住宅実態調査報告」から小屋裏換気に関わるデータをピックアップし、ご紹介します。
「フラット35住宅仕様実態調査」とは?
住宅金融支援機構は、5年に1度「フラット35住宅仕様実態調査」という調査を行い、その結果を公開しています。この調査では、フラット35の設計検査の申請が行われた木造軸組工法の住宅を対象に、住宅の構造等がどのような仕様になっているのかを調査が実施されています。
最新の調査は主に平成29年度に申請のあった住宅を対象に行われ、今年の6月15日にホームページ上に結果が公開されました。
https://www.jhf.go.jp/about/research/tech_flat35_siyou.html
このコラムでは、この調査結果の中から小屋裏換気にかかわるデータをピックアップしていきます。
今回は「小屋裏換気孔の設置方法」です。
小屋裏換気の取り方のトレンドや変化は?
フラット35「木造住宅工事仕様書」では、小屋裏換気の取り方が6つ挙げられています。
フラット35住宅仕様実態調査では、これに屋根断熱を加えた7通りの仕様のうち、どれを採用しているかについて調査されています。その結果が以下のグラフです。
この10年間、最も多くとられている方法は軒裏吸排気です。今回の調査においても40.9%を占めています。変化が顕著なのは屋根断熱です。この10年間で急増し、16.1%から38.4%と約2倍になっています。軒裏吸排気に迫る勢いです。
「フラット35住宅仕様実態調査」とは?
全国を10のエリアに分けた結果も公開されています。前回の結果と並べて見てみましょう。
割合に差はあるものの、屋根断熱はほとんどのエリアで増加していることがわかります。特に北陸・近畿・九州では20ポイント以上、東北・関東では10ポイント以上増加しています。
北海道は無落雪屋根が多いため、屋根断熱は非常に少なく、軒裏吸排気が圧倒的多数を占めています。
棟換気は、首都圏で特に割合が高く27.0%で、前回とも大きく変わっていません。東北では前回棟換気が24.0%でしたが、今回は9.1%と一気に減少。屋根断熱が15.1%から29.2%に増加しています。
次回のvol.2では屋根形状について見てみたいと思います。
参考資料:住宅金融支援機構「フラット35住宅仕様実態調査報告」