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外壁通気構法で求められる住宅品質vol.3 「外壁通気構法で注意したい施工のポイント」

住宅事情 2019.10.23

外壁通気構法で求められる住宅品質vol.3 「外壁通気構法で注意したい施工のポイント」

通気層で求められる住宅品質 VOL.2」で説明させていただいた外壁通気構法を考える上で押さえるべき3つのポイント
1.空気の入口を確保 2.空気の流れる道の確保(通気層)3.空気の出口の確保 について不備事例と優良事例をご紹介させていただきます。

 
×1.空気の入口を確保 に関わる不備事例 【空気の入口を計画していない】

稀な事例となりますが、計画の段階から壁通気層の空気の入口を考えていなかった不備事例です。設計・現場監督・職人のどなたか一 人でも「通気層のしくみ」を理解していれば このような施工にはならなかったのではない でしょうか。

 

×1.空気の入口を確保 に関わる不備事例 【水切りの隙間が不足】

空気の入口となる水切り上の隙間がやや小さい事例です。通気を確保するために、外壁仕上げ材の下端と水切りとの隙間を一般的に 10 ~ 15 ㎜程度あけます。(サイディングメーカーの施工要領書を要確認)

 

2.空気の流れる道の確保 に関わる優良事例 【窓まわりの通気経路を確保】

窓のまわりで空気の流れが途切れないように隙間を設けている優良事例。一般的に30 ㎜程度の隙間を確保します。(参考:フラット35 木造住宅工事仕様書)

 

×2.空気の流れる道の確保 に関わる不備事例 【窓まわりの通気の妨げ】

窓まわりの通気胴縁に隙間がなく空気の流れを妨げている事例です。窓上の壁では通気の入り口が無いため、湿気が滞留してしまい不具合を生じさせる恐れがあります。

 

×2.空気の流れる道の確保 に関わる不備事例 【横胴縁の連続による通気の妨げ】

横胴縁が連続している事例です。胴縁に隙間 がないため、水切りから軒へ空気が流れません。通気を確保するために、一般的に1820 ㎜につき30 ㎜程度の隙間をあけます。(参考:フラット35 木造住宅工事仕様書)

 

×2.空気の流れる道の確保 に関わる不備事例 【透湿防水シートのたるみ】

透湿防水シートのたるみが発生している不備事例です。このままの状態だと空気の流れを妨げる恐れがあります。 たるみの無い施工が望まれます。

 

○2.空気の流れる道の確保 に関わる優良事例 【透湿防水シートのめくれ防止】

透湿防水シートのたるみの施工に加えて、 端部に防水テープを貼りめくれ防止の配 慮を行っている優良事例です。

 

×2.空気の流れる道の確保 に関わる不備事例 【透湿防水シートのめくれ防止】

壁に吹き付けた発泡系断熱材が外壁面側に膨張し通気層を塞いでいる事例です。 根本的な解決にはなりませんが、外装仕 上げ後では確認できないため、外装仕上 げ前に吹き付け断熱工事を行い、通気層をチェックしてから次工程に進めること も、対策の一つだと思います。

3.空気の出口の確保 に関わる不備事例・優良事例につきましては、次号でご紹介させていただきます

 

記事提供:

住宅品質向上のリーディングカンパニー
株式会社NEXT STAGE

住宅会社の自社品質基準の構築や、建築現場での第三者監査など「住宅品質の安定と向上を具現化する」ためのコンサルティング事業を展開。

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