TOPICS

外壁通気構法で求められる住宅品質vol.10「下屋と壁の取合い部は先張りルーフィングがカギ!」

住宅事情 2020.06.08

外壁通気構法で求められる住宅品質vol.10「下屋と壁の取合い部は先張りルーフィングがカギ!」

主に下屋で発生する、「壁と軒」「壁とケラバ」の取り合い。この部位廻りの防水処理が、煩雑になってしまう傾向があります。防水シートの切断であったり、テープ処理であったり、職人さんの手によって、施工精度のバラつきが目立ます。さらに、この部位は雨漏りしやすい部位であるため、他の部位よりしっかりとした施工が求められます。

雨水浸入のリスクが高い下屋と壁の取り合い部分(防水シートはまだ張っていない状況)

防水シートの納めにくさもあり、煩雑な施工になりがちな部位

 

ルーフィングの先張りで防水を補強

下屋と壁との取り合いの具体的な納め方は、法令では定められておりません。しかし、フラット35の仕様書や住宅瑕疵保険などでは、漏水し易い部位でもある事から防水の補強が推奨されています。

防水補強方法の一つとして「ルーフィングの先張り」や「捨張り」と呼ばれる施工方法があります。壁と屋根の間にルーフィングを差し込むだけで、取り合い部に生じた隙間等から侵入した水を通気層に排出するというシンプルな仕組みとなっています。特にリスクの高い部位(下図参照)の防水補強として費用負担も少なく、ちょっとひと手間加えるだけで施工できることもあり、優良ビルダーの住宅では多く採用されています。

防水シートを張る前に、屋根と壁の間にルーフィングを差し込む

防水シートとの取り合いは、防水シートの張り方の考え方と同じく、上部の防水シートの裏に回った水が表に出てくるように下から順に張る。

 

雨水浸入リスク低減のためにルーフィングの先張りが望ましい部位の例

今回で、外壁通気構法で求められる住宅品質の最終回となります。参考になりましたでしょうか。外壁通気構法の通気層の目的である、室内や壁体内の湿気を通気層を通して外部へ排出する「排湿」、雨水の壁体内への浸入を防ぎ通気層を通して外部へ排出する「防水」。これらをしっかり担保する施工や設計が求められるわけですが、その前段階で、会社としてどのように考え判断するのかをしっかり自社の基準として定めて置くことが重要です。

我々、NEXTSTAGEは建築技術総合コンサルティング企業として、住宅会社様が良質な家を造るための支援サービスやこれからの家づくりを担う人材を育成するサービス等を提供させていただいております。お困りごとやご相談ごとがございましたら、是非、ご相談くださいませ。

 

住宅品質向上のリーディングカンパニー
株式会社NEXT STAGE

住宅会社の自社品質基準の構築や、建築現場での第三者監査など「住宅品質の安定と向上を具現化する」ためのコンサルティング事業を展開。

https://nextstage-group.com/